非常用自家発電設備点検の重要性

東日本大震災の際には点検整備が不十分であったが為に非常用自家発電装置が正常に動作せず、非常電源を給電できないという設備が多数ありました。
非常時における確実な電源確保の為にも、定期的な保守点検が重要となります。
現状、非常用自家発電設備は年２回の点検（6ヶ月に1回の機器点検、年に１回の総合点検）と年１回の報告が法律で定められています。
ビルや産業施設などの建物には、消防法や建築基準法により非常用発電設備の設置が義務付けられています。平成30年に消防設備等の点検基準及び点検報告書の一部が改正され（消防予第372号）、改正後は負荷試験に代えて行うことができる点検方法として内部観察等が追加されました。非常用発電機の設置後、1年に1回運転性能の維持に係る予防的な保全策を講じ、負荷試験及び内部観察等の点検を6年に1度実施する必要があります。また、予防的な保全策を講じない場合は、毎年負荷試験の実施が必須です。
それらを実施しないと法令違反となり、管理者や所有者が処罰される可能性があります。
（電気事業法第40条、建築基準法第101条、消防法第44条11号）

業務説明

メンテナンス業務

非常用発電機は突然の災害などで停電が発生した場合、自動的に電気を供給してくれる設備です。
停電が発生しない限り稼働しないためメンテナンスの必要性を感じていない方もいるかもしれませんが、非常用発電機は電気部品の経年劣化による動作不良やエンジントラブルで動かないなど車やバイクと同じ故障が発生します。突然の災害に備えて定期的メンテナンスは必要不可欠です。

模擬負荷試験業務

模擬負荷試験とは、非常用発電機などの自家発電機から、模擬負荷試験装置に電気を出力して発電機の稼働状況を調べる方法です。
電気の出力先が館内設備ではないので、館内を停電させずに発電機の試験が可能となります。　　　　　　　　
無負荷運転のみでは未燃焼燃料やカーボンなどが溜まりやすくなります。模擬負荷試験では一定時間負荷をかけられる為エンジン内部のカーボンや未燃焼燃料を燃やし除去することができ、実際の停電時に負荷がのっても正常に稼働するかをみることができる試験方法です。

仮設発電機設置工事業務

仮設発電機とは既存の非常用発電機が故障して運用ができない、エンジンの整備などで長期間使用できないなど突然の災害時非常電源がなくなります。
そのため、設備の負荷にあった仮設発電機を設置して停電時、仮設発電機から電力を送電します。既設との配線工事もおこない停電時に自動で送電できるように設置する工事です。

その他試験業務

・保護継電器試験
各継電器について、最小動作値・瞬時要素・時限特性・位相特性等を測定し、製造メーカーの管理値内であることを確認します。
・絶縁耐力試験
使用電圧に対して規定された電圧を印加し、絶縁破壊を起こすかどうかで絶縁不良を検出する試験で絶縁の強度を試験します。
・電気工事
非常用発電機に関する配線工事や電気配管の施工などをおもに行っています。